月経前に起こる
症状(PMS)

月経が始まる1週間前や数日前から、訳もなくイライラする、不安になる、悲しくなる、むくみやすい、集中力が普段より続かない、眠気が増す、めまい、だるくなる、無性に食べたくなる、ニキビができやすくなる、お腹が痛い、胸やお腹が張る、などの症状に悩む方もいるのではないでしょうか?

こういった月経前に起こる体や心の症状の総称を月経前症候群、通称PMS(Pre-Menstrual Syndromeの略称)といいます。軽い症状を含め、全女性の85〜95%で月経が始まる1、2日前にPMSを英検しているという統計データがあります。数個の軽い症状がたまに現れる方もいらっしゃれば、月経前に現れる体や心の症状が重くてしんどいという方もいらっしゃると思います。もしくは、症状が重くなったかと思えばそんなに気にならないという月があるという方もいらっしゃるかもしれませんし、あまり気にならないという方もいらっしゃるかもしれません。


PMSが起きるメカニズム

月経前の黄体期と呼ばれる期間は、プロゲステロンという女性ホルモンが増える時期です。プロゲステロンは、排卵後に増えていき、妊娠しやすい環境を整える役割があります。例えば、子宮内膜の厚さを維持して受精卵が住みやすい環境にしたり、赤ちゃんが住みやすい環境を作るために食欲を増やしたり、基礎体温を上げたり、水分を維持したりする作用があります。赤ちゃんにとっては良い環境ですが、妊娠を考えていない場合、食欲が止まらない、むくみやすい、身体がのぼせるというような症状を起こす作用もあります。

そして、むくみやすくなるので、頭にむくみが溜まると頭が痛くなったり、身体に溜まると重だるくなったり、胸に溜まれば、胸が張って痛くなったりと様々な症状を引き起こします。
また、黄体期は月経後から排卵前までに多く分泌されていたエストロゲンの分泌量が下がります。そのため、エストロゲンが備える気分を調整する作用が機能しなくなってしまい、イライラしやすくなったり、落ち込みやすくなったり、モチベーションが上がらなくなったり、集中できなくなったりというような気分に関する症状を引き起こす場合があります。
他にも、黄体期における高い基礎体温は、睡眠に対しても影響を及ぼす場合があります。具体的には、基礎体温が上がるため昼間に眠気が増す、夜も体温が下がりにくいため質の高い睡眠が取りにくいなどです。このように、眠気がとれないという悪循環に陥ってしまう可能性があります。

プロゲステロンから生まれるアロプレグナノロンという物質は、ストレスを中和する役割があります。黄体期の終わりにかけて、アロプレグナノロンは、プロゲステロン量と同時に減っていきます。その結果、イライラしやすくなったり、気持ちが落ち込んだりするのでは?という説や、PMSのない人に比べて、PMSの人はアロプレグナノロンの分泌量が少ないのでは?という説があります。これらについては、今後、さらなる研究が必要な分野です。


状態を把握してみましょう

まずは、どんな症状を経験しているのか、少なくとも2〜3ヶ月記録してみましょう。記録をしてみることで、客観的に症状を把握できますし、今までわからなかった気づきが生まれるかもしれません。環境の変化があった場合、例えば部活や学校が忙しかった、新しい環境になった、などの状況も記入しておくと、何が原因で症状が変化したのかが考えやすいです。また、病院で相談する際にも役立つので、手帳やスマホアプリなどで記録を取ってみましょう。

まずは、どんな症状を経験しているのか、少なくとも2〜3ヶ月記録してみましょう。記録をしてみることで、客観的に症状を把握できますし、今までわからなかった気づきが生まれるかもしれません。環境の変化があった場合、例えば部活や学校が忙しかった、新しい環境になった、などの状況も記入しておくと、何が原因で症状が変化したのかが考えやすいです。また、病院で相談する際にも役立つので、手帳やスマホアプリなどで記録を取ってみましょう。

PMSや月経前気分不快障害(Premenstrual Dysphoric Disorder、PMDD)という気分に関する症状が重いのかをチェックしたい場合はこちらから(受診に向けての参考にしてください。外部サイトに移動します。)


症状を緩和する方法

症状を緩和する方法として、以下の方法(①日常的なエクササイズ、②睡眠、③食事、④ストレスの原因の把握)があります。
しかし、症状が重い、以前よりも徐々に症状が悪化している、改善しないなどの場合1は、婦人科の先生に相談してみましょう。ピルを服用するなどの対応で症状が軽減できるかもしれません。もし、病気が隠されていた場合は、その病気を早期に発見できるかもしれません。


①日常的なエクササイズ

おすすめのエクササイズです。

ボディスキャン
横隔膜呼吸
座位スパイラル
チャイルドポーズ
ダウンドッグ
トライアングル

②睡眠

起きる時間と寝る時間を、平日も休日も一定にしてリズムを整えましょう。また、少なくとも7時間は睡眠時間を確保しましょう。アスリートの場合は、8時間の睡眠時間を心がけましょう。
十分な睡眠をとることによって、疲労の軽減、気分の安定、集中力の高まりなどの効果を得られ、PMSの症状の緩和にも役立ちます。

詳しい睡眠に関する情報はこちらから

食事

食事を変えてみましょう。

もし、コーヒーや紅茶・エネルギードリンクなどカフェインが含まれるものを多く飲んでいる場合や、喫煙、飲酒(飲み過ぎ)などをしている場合は、症状が重くなる可能性があるため、量を減らしたり、控えることで症状が緩和されるかを確認してみましょう。

また、バランスの悪い食事をとっていると症状が重くなりやすい傾向にあることが分かっています。下記が例になります。

塩分や糖分は水分を体内に溜め込みやすいので、むくみやすい場合は控えてみて変化があるか確認してみましょう。

④ストレスの原因の把握

ストレスの原因が、自分でコントロールできるのか・できないのか(人の考え方を変えようとすること、授業や部活の時間・大会の日程、試合の結果、過去のこと、遠くの未来のことなど)を確認してみましょう。

自分がコントロールできないものについて考えすぎてしまって、ストレスを溜めてしまっているかもしれません。

まずは自分がどんなことにストレスを感じるのかを把握しましょう。そして、その時にどんな気持ちになるのか、身体がどのように反応するのかを受け止めて、どのように対応したら良いかを考えましょう。


周りの方ができること

チームメイトや教え子、お子さんの中には、月経前になると心身に様々な症状が出て、普段とは違う態度や状態になったりする方がいらっしゃるかもしれません。これは決して、ご本人のやる気がないわけでも、怠けているわけでもなく、月経前のホルモンバランスの変化によって、ご本人が頑張ろうとしていても、コントロールができないことがあるということを知っておきましょう。

相手の立場に立って、どう考えているのか、どう感じているのか、どんな状況なのかを想像して寄り添い、相手の気持ちを思いやるエンパシー(empathy)を育みましょう。
自分とは違う人がいることを知り、耳を傾け寄り添い、相手を認めて受け止めましょう。いろいろな人がいて意見があることを認める柔軟性を持ち、思いやりの心を持って接してみてください。厳しさも時には必要ですが、状況にあっているのか、まずは自分の思い込みではなく、相手の立場で話を聞けているのか、皆さん自身の行動もぜひ振り返ってみてください。

役に立つサイト

教育用資料 | 日本体育大学 – 女性アスリート競技力向上プロジェクト


  1. PMSだと診断されるには、月経が始まる5日前から症状が始まり、3ヶ月以上症状が連続してあり、月経が始まって4日以内に症状がなくなり、日常生活に支障を来すという条件があります。

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