心理的・精神的
コンディショニング

体だけではなく、心のコンディショニングもパフォーマンス発揮には大切な要素です。大事な試合や大会でそれまでに練習で準備してきたことを最大限に活かすためには、試合に向けた心理的・精神的なコンディショニングと大会当日のメンタルマネジメントが重要です。

なぜ、パフォーマンス発揮をするために心身の土台が重要なのでしょうか?

まずは、その理由を心身のパフォーマンスピラミッドを用いてご紹介します。


心身のパフォーマンスピラミッド

リチャード・L・リンチ氏とケルビン・F・クロス氏が、階層的に指向された企業経営に向けて目標を達成するために提唱したパフォーマンスピラミッドを基に、アメリカ合衆国の理学療法士であるGray Cook氏が、フィットネスやスポーツにおけるパフォーマンスピラミッドを構築しました。

Gray Cook氏が構築したパフォーマンスピラミッドとは、アスリートの専門的な競技力を支える身体的要素を3層に分け、ピラミッドを安定させるようにトレーニングを実施することで、身体のパフォーマンスを向上させようとする考え方です。アスリートの場合、競技特性に合わせたスキルが必要ですが、スキルをトレーニングにて向上・最大化するためには身体的パフォーマンス(競技をするための筋力やスピード、敏捷性、パワーなど)のサポートが必要です。さらに、スキルや身体的パフォーマンスを支えるために重要な土台となるのが、ファンクショナルムーブメント(基礎的な動き、安定性、柔軟性、呼吸など)です。この3つの要素は相互にバランスが取れていることが重要であり、バランスが崩れた状態では、技術練習の効率性低下や、ケガのリスクを高める要因となると考えられています。

心や精神面においても、このパフォーマンスピラミッドのように3層に分けることが可能です。まず、ピラミッドの頂点には、心理的スキル(自信、集中力など)やコンディション(試合当日の精神的状況、リラックス状態、落ち着きなど)が位置します。心理的スキルやコンディションはスポーツにおいて極めて重要であり、実際の試合において多大な影響を及ぼします。

心理的スキルやコンディションを最良化するためには、心理的パフォーマンス(極限での自己コントロール、闘争心、ストレスマネジメント能力など)が必要で、それらを支えるために重要な土台となるのが、「心・精神の力」(積極的思考、目標設定、自発性、自己認識など)となります。自分の心と精神をコントロールする能力を高めるメンタルトレーニングを行うためには、まず、「心・精神の力」という土台を築くことが必要です。土台を築いた上で、トレーニングで自己を追い込み、メンタルトレーニングでストレスマネジメントなどの心理的パフォーマンス能力を向上させ、心理的限界を押し上げます。このプロセスを踏むことによって、試合で自分の最大限の能力(ピークパフォーマンス)を発揮できることにつながります。


次の記事で、試合に向けてできることと試合当日にできることをご紹介します。


参考文献

  1. Cook G, Burton L, Hoogenboom BJ, Voight M. Functional movement screening: the use of fundamental movements as an assessment of function-part 2. Int J Sports Phys Ther. 2014 Aug;9(4):549-63.
  2. 『スポーツメンタルトレーニング教本 三訂版 』 日本スポーツ心理学会編 大修館書店(2016)

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