月経にまつわる
マネジメント

A. 周期の把握

皆さんは、月経がいつ来たか、何日来たのか、どのくらいの痛みや量だったのかを把握していますか?皆さんの中には、基礎体温を測っているという方もいるかもしれません。
今の月経の周期(月経がいつ始まって、次の月経までどれくらいの日数があるのか)を知ることが出来ると、一年を通してどのような頻度で月経が来るのかを把握することができるだけでなく、ご自身のイライラやむくみなどの症状や悩みに月経が関わっている可能性を知ることができます。

正常と言われる月経周期は、25〜38日とされています。
この正常期間よりも短い間隔で起こる場合(24日以下)は「頻発月経」長い場合(39日以上)は「稀発月経」と呼ばれ、どちらの場合も女性ホルモンや子宮などの病気が隠れている可能性があります。


初経を迎えたばかりや、思春期の間は周期が安定しないことも多いので、突然月経が来てしまい、びっくりすることもあるかと思います。
そのため、月経がいつ来たのか、どのくらいの長さだったのかを把握することのメリットは、どのくらいの周期・サイクルで来ているのかの予測をつけやすいので、ナプキンを事前に用意したり、月経が始まりそうかもと思ったら、痛み止めを飲んで痛みの原因であるプロスタグランジンの生成を事前に止めることができます。

また、月経が来る前にイライラしたり、食欲が止まらなくなったり、むくみなどが起こる場合に、「月経が起こる前兆だな」と思うのと、「何が理由なのかは分からないけど、どうしようもない!!」と思うのとでは、ご自身の感情のコントロールのしやすさや対応が変わるかと思います。前者の方が感情をコントロールしやすい考え方になります。

月経中は身体がしんどくて動きたくないという人や、憂うつな気分になったり、普段より集中しにくくなったりいという人もいます。反対に、普段と変わらない人や、普段よりも柔軟性が上がって動きやすいという人もいるので、月経による影響は人によって様々です。

月経中は身体がしんどくて動きたくないという人や、憂うつな気分になったり、普段より集中しにくくなったりいという人もいます。反対に、普段と変わらない人や、普段よりも柔軟性が上がって動きやすいという人もいるので、月経による影響は人によって様々です。

月経後に、どんな変化があるのか、ないのかも是非振り返ってみてください。月経後から排卵までは「女性らしさ」を作るエストロゲンが増え、動きやすく感じたり、気分が晴れる場合があります

月経周期は4つ(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)に分かれていて、それぞれの時期で身体の状態に変化がある人もいます。まずは、ご自身の周期を把握してみましょう。自分自身の状態を把握できると、どんな対応をとったらいいのかが分かってきます。


B.ピル

ピルは、月経周期や月経量をコントロールする女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を人工的に合成したホルモンを含むお薬です。

もちろん、妊娠をしないようにする薬でもありますが、普段の月経に関する症状や、試合や試験などの大事な時に自分のベストを尽くせるようにすることも、ピルを使うことで可能になります。ピルには、月経の時期をずらしたり、量を軽減したり、月経前に起こるイライラや無性に食べたくなる気持ちなどを軽くし、改善する効果もあります。

ピルの中でも低用量ピル・超低容量ピルが、上のような時に使う薬になります。

どのようにピルが働くかというと、エストロゲンやプロゲスチン(プロゲステロンを真似して作ったホルモン)といった女性ホルモンを人工的に合成したものが入っているので、身体をだまして妊娠中だと思い込ませ、排卵(卵子が卵胞から排出されること。この、前後の期間5日間に精子がきた場合に妊娠をする可能性がある)が起きないようにします。排卵が起こらなければ、月経が必要だよというシグナルが止まります(月経は妊娠が成立しなかった場合に起こりますが、妊娠中と錯覚させているため止まります)。
また、排卵が起きないため、赤ちゃんを作るためのお布団である子宮内膜が分厚くならない状態になります。排卵前にエストロゲンの分泌量が一時的に増え、このお布団を厚くする作用を持っていますが、低用量ピルによってこのエストロゲンの分泌量がコントロールされるため、薄いお布団が作られるようになります。これが、月経量をコントロール出来る仕組みになります。

*ピルを飲む期間が長くなり、このお布団(子宮内膜)が分厚くなりすぎる、もしくはピルを飲まない期間を作る(休薬期間を作る場合、飲むのを止めてから4〜7日の間)と、身体に溜まっていた子宮内膜が身体の外に排出されるので、月経に似た出血が起こります。月経をずっと止めている場合、数ヶ月経つと溜まっていた子宮内膜が身体の外に排出される(破綻出血)ので、タイミングの良い期間を見計らって休薬期間を作ると、破綻出血が起きた場合の準備がしやすくなります。


低用量ピルの種類

低用量ピル(プロゲスチンとエストロゲンの両方を含むもの)を使うと、月経時期をコントロールできるようになります。低用量ピルには、主に2種類あり、一相性(いっそうせい)と三相性(さんそうせい)ピルがあります。

2つの大きな違いは、錠剤によって合成ホルモンの量に違いがあるか、ないかです。

一相性ピルは、シート(1周期分のピルの錠剤が入っているシート上の入れ物)に並んだどの薬(錠剤)にも同じ量の合成ホルモンが入っています。そのため、どの錠剤から飲んでも問題ありません。
一相性ピルのシートは大抵の場合、28日周期で作られているものが多く、21日間分(もしくは24日分)はホルモンが入っている錠剤、そして7日間分(もしくは4日間分)はホルモンが入っていない砂糖やコーンスターチでできたプラセボ薬の役割があります。

そのため、21〜24日間は月経がなく、残りの4〜7日間の休薬期間に月経に似た出血(消退出血とも言います)が起こります。このプラセボ薬を飲まずに次のシートを始めると、引き続き月経がない期間を延長できます。この4〜7日は最長期間で、1日や2日だけ飲まずに次のシートへ移り、続けて飲んでも構いません。ただし、この長く継続する効果を得るためには、最低でも21日(もしくは24日)薬を飲み続けることが大切です。また、4日もしくは7日の休薬期間以上、薬を飲まない期間が長くなってしまうと、排卵が起きてしまい避妊の効果は失われてしまいます。

一方で、三相性のピルには、異なる量の合成ホルモンがそれぞれのピルに含まれているため、指示通り、順番を守って飲むことが、薬による効果を得るためには大切になります。ブランドによって、飲む日数や出血する日数が異なるので、よく取扱説明書を読むようにしましょう。

低用量ピルには先ほどもお伝えしたように、身体に今は妊娠中ですよと錯覚させる作用があります。そのため、ピルを飲み始めて数週間程度は、妊娠初期になる‘つわり’と同じような症状が起き、頭痛や吐き気、むくみによる体重の増加、乳房の張りなどが出る場合があります。

そのため、飲み始めてから3ヶ月程度は様子を見てみましょう。吐き気が強い場合など、日常生活にも支障が出るような症状がある場合は、お医者さんに相談してみましょう。


また、ピルを飲み続けていても、月経痛や経血量などが飲む前と変わらない場合や効果が実感できない場合も、お医者さんに相談してみましょう。ピルにはいろいろなブランドやタイプがあるので、月経期間を過ごしやすくするために自分に合ったものを探してみましょう。


アドバイス

ピルは、月経の痛みや量、時期をコントロールしてくれる心強い味方です。昔の女性と比べると、現代の女性は妊娠して子供ができる数も減っているため、原始時代の女性の生涯の月経数100回に対して、500回もの月経を経験するといわれています。月経が定期的にあることは、皆さんの身体に自分自身だけでなく、赤ちゃんを育てるための十分な栄養があり、女性ホルモンが分泌されていることを示しています。

月経は妊娠が成立しなかった場合に起こるため、月経に伴う出血そのものにはメリットがありません。そのため、妊娠をしたいと思っていない場合には、月経を起こすメリットがないため、定期的に月経痛や経血の量に悩むことを考えると、ピルを上手に使い、月経にまつわる悩みを解消することもひとつの方法です。

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