トレーニング
1-1. 筋トレだけがトレーニングではない

トレーニングと聞いてどんなことを思い浮かべますか?

多くの方が最初に思い描くのは、いわゆる「筋トレ」ではないでしょうか。もちろん筋力を向上させるためのトレーニングも大事ですが、その前に重要なことがあります。

それは、「呼吸」「身体の感覚」です。

上の図は「中枢神経からの発達ピラミッド」です。

一見すると何を表しているのか分かりにくいかもしれませんが、アスリートの場合、ピラミッドの頂点にある学術的学びを「スポーツ(技術力)」と考えてみてください。私たちがスポーツ(知的活動)をするためには、中枢神経(脳)でコントロールされている呼吸や感覚システムの「土台」の発達の上に、姿勢の安定や反射の成熟などの感覚運動の発達が起こります。

その上に、眼と手のコーディネーションや姿勢調整などの認知行動の発達、さらにスポーツ(技術力)という知的活動が重なります。ピラミッドは下から上に連鎖しているため、呼吸や感覚システムなどの土台が未発達だと、その上に繋がる姿勢や体のコントロール、思考の発達は難しくなります。

つまり、ピラミッドの頂点にくるスポーツ(技術力)を上達させるには、土台である「感覚力」を鍛えることと「呼吸」を適切に使える能力を身につけることが近道なのです。

参考文献

  1. 森本貴義、山本邦子. 「かけっこ一番」をめざす前に、知っておきたい60のこと 伸びる子どもの、からだのつくり方. ポプラ社. 2016.
  2. 山本邦子. From シアトル アスリート新化論. 産経新聞出版. 2009.
  3. Courtney R. : The functions of breathing and its dysfunctions and their relationship to breathing therapy. International Journal of Osteopathic Medicine, 12 (3) : 78-85, 2009. doi:10.1016/j.ijosm.2009.04.002.
  4. 大貫崇. 呼吸機能と体幹,横隔膜の関係性について. 日本アスレティックトレーニング学会誌 第 5 巻 第 1 号 27-34(2019)

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