月経周期のコンディショニング
2-2.基礎体温を測ることは、月経周期を把握する確実な方法?
基礎体温とは、何もしていない状態の体温のことです。朝、目覚めた直後の体温は、運動や食事、感情の変化による体温上昇の影響を受けにくいため、起床時に体温の計測を行うのが一般的です。基礎体温は、月経周期の時期によって変化します […]
女性アスリートの
育成・支援プロジェクト
基礎体温の記録をつけることで、今の自分が月経周期のどの位置にいるかを把握することができます。また、月経の時期を予測することもでき、月経前におこる女性特有の周期的な心身変化への準備をするうえで役に立ちます。
正常な月経周期の場合、基礎体温は低温期と高温期の2相に分かれます。しかし、排卵があっても黄体期が不完全な周期(黄体機能不全周期)や月経があっても実は排卵がない周期(無排卵性周期)があります。
黄体機能不全周期では高温期が維持できず、高温期の後半に体温が下降したり、極端に高温期が短いまま月経を迎えたりします。
無排卵性周期では基礎体温が変動せず、低温期のまま月経が起こります。無排卵性周期の場合、少量の出血が2〜3日のみ見られることもあり、月経の期間が短くなることもあります。
黄体機能不全周期や無排卵性周期が長く続くと不妊の原因になりますので、婦人科の先生に相談してみましょう。
運動で消費するエネルギーが食事から摂取するエネルギーより多い場合、エネルギー不足が起こります。この状態を利用可能エネルギー不足といい、高温期が短くなったり高温期が見られなくなったりします。
利用可能エネルギー不足の状態が長く続くと黄体機能不全や無排卵性周期が引き起こされ、最終的には無月経となります。基礎体温を習慣的に計測および記録し、高温期の状態をチェックすることによって、利用可能エネルギー不足の兆候を捉えることができます。
月経周期異常を予防するためにも、基礎体温から利用可能エネルギー不足の兆候をつかみ、運動量や食事量の見直しに役立てましょう。