月経周期のコンディショニング
5-1.月経の一時的な調整法

次回の月経を一時的にずらす方法です。
一時的な調整法には、月経を早める方法(短縮法)と遅らせる方法(延長法)があります。月経を早めたい場合にはピルを飲む日数を減らし、遅らせたい場合にはピルを飲む日数を増やします。月経周期の中で最もコンディションの良い時期は、月経終了直後から数日後であると感じている アスリートが多いため、月経後に試合や大会のスケジュールが来るように短縮法を選ぶアスリートが多いようです。
どの方法をとるかは、競技や試合のスケジュールなどにあわせて選ぶと良いでしょう。


使用されることが多い薬:中用量ピル

ピルの服用期間:月経をずらしたい時だけ短期間服用

対象例

ピル服用の注意点:継続的な調整法で使用する薬剤の低用量ピルと比べて含まれるホルモンの量が多いため、副作用も出やすくなります。


服用スケジュールの例

目的: 月経が試合と重なる予定のため、月経を早めて試合と重ならないようにしたいから

1月1日:自然月経が始まった日
1月29日:次の月経の始まる予定日
1月30・31日:試合

試合と月経予定日が重なるため、移動させたい月経の前の月経から1日1錠中用量ピルを服用します。服用中止後、2〜3日目に月経が来るため、月経が終了した頃に試合を迎えることが可能になります。

短縮法

参考文献

  1. 国立スポーツ科学センター. Health Management for Female Athletes Ver.2-女性アスリートのための月経ハンドブック-. 2017 
  2. https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/info/pdf/Health%20Management%20for%20Female%20Athletes%20Ver.2.pdf
  3. 東京大学医学部付属病院 女性診療科・産科. Conditioning Guide for Female Athletes 2 月経対策をしてコンディションを整えよう!. 2021.
  4. http://f-athletes.jp/download/pdf/210316_ConditiongGuide2.pdf
  5. 独立行政法人 日本スポーツ振興センター、国立スポーツ科学センター(JISS)、スポーツ科学研究部 女性競技者研究プロジェクト. 女性アスリートためのコンディショニングブック. 2013.
  6. https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/info/pdf/josei_athlete_conditioning_book.pdf

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