『①骨盤底筋群の機能が低下する原因は何?』で紹介をしたように、骨盤底筋群の機能に影響を与える要因が多岐にわたることが徐々にわかってきています。その研究結果が、一般的な情報にどれほど反映されているかという現状を知るために、”骨盤底筋群のトレーニング”がどのように紹介・説明されているのかをGoogle で検索してみました。検索でヒットした初めの10個のウェブサイトに書かれていたトレーニングの方法をまとめています。(2023年12月現在)
骨盤底筋群のトレーニングをするとき、100%のウェブサイトが5秒から15秒ほど肛門・尿道・膣全体を締めて、その後、力を抜くエクササイズを紹介しています。
また、20%のウェブサイトが、骨盤底筋群の収縮・リラックスをする、テンポを変えてトレーニングすることを勧めています。
そして、10%のウェブサイトが
- 自分の骨盤底筋群がどこにあるのかを確認することを勧めています。
- 骨盤底筋と呼吸との関係についての説明があり、呼吸をトレーニングの一部にとり入れたエクササイズを紹介しています。
- 骨盤底筋をゆるめることも紹介しています。
- 骨盤底筋を収縮させるトレーニングを座位・仰向け姿勢で実施することに加えて、歩きながらエクササイズすることも紹介しています。
上記からも分かるように、Google検索で最初に表示されるウェブサイト10個に掲載されている骨盤底筋エクササイズのほとんどが
⚪︎骨盤底筋群のみに焦点を当てトレーニングをしている
あるいは、
⚪︎骨盤底筋群を締めることに重きを置いています。
つまり、骨盤底筋群がうまく機能しない理由として、
「骨盤底筋群そのものに原因があること」
「骨盤底筋群がゆるんでいること」
が一般的に認識されていると考えられます。
しかし!!
①骨盤底筋群の機能が低下する原因は何?でお話したように、最近の研究では、骨盤底筋群の機能には複数の要因が絡んでいることがわかってきています。
今後もさらなる研究によって変化をしていくかもしれませんが、一般的に知られている骨盤底筋群へのトレーニング、つまり「骨盤底筋群のみに焦点を当てる、骨盤底筋群を収縮させるだけのトレーニング」から
”身体全体から骨盤底筋群にアプローチ”をする方向に変わっていく必要性があるのがわかるかと思います。
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