骨盤底筋群に関与する8つの要素
4-7.運動連鎖:骨盤底筋群の機能と運動連鎖の関連性

運動連鎖とは、人体の運動において関連する関節や筋肉が協力して連携する概念を指します。この概念によると、単一の部位や筋肉だけでなく、複数の関節や筋肉が協力して特定の動作や機能を実現するとされています。例えば、歩行や走行、スポーツの動作などでは、足、腰、背中、腕などが協調して作用します。運動連鎖は、体の連携作用として理解され、運動学やバイオメカニクスの分野で広く取り上げられています。

例えば足首の外側を捻挫すると、歩行中に荷重による痛みを避けるため、腰方形筋という骨盤を引き上げる腰の筋肉を使って、足に体重をかけないように腰から足を動かすようになります (捻挫した側の骨盤を挙上して歩く、ヒップハイキングという異常歩行を引き起こします)。
この代償運動(怪我した足首をかばう動作)によって、捻挫した足首と同じ側の腰方形筋へ過度の負担がかかり、筋肉が硬くなります。腰方形筋は左右対称に骨盤と肋骨、脊柱に付着する筋肉のため、片方の筋肉のみが硬くなってしまうと骨盤の左右の高さに差が生じ(骨盤の傾きを引き起こし)、腰痛などの原因となってしまいます。


ペンギンのように左右に体重移動をして歩いている妊娠女性を見かけたことはありませんか?
妊娠中にお腹が大きくなることで、骨盤が広がります。そのため、骨盤が前傾して腰が反り、股関節の可動域が制限されます。また、大きくなったお腹のバランスを取るために、重心が後ろに傾きがちになります(かかと重心)。そのため、足の指でしっかりと踏ん張ることが難しくなり、徐々に足裏のアーチが崩れていく(扁平足気味になる)ケースがよく見られます。
足裏のアーチが崩れていくと、足首の上にある脚の骨が内旋し、膝が内側に入り、股関節も内旋し、さらには骨盤が前傾していきます。股関節が内旋し続けると、4-6. 股関節でも紹介したように、内閉鎖筋が伸長した状態になり、骨盤底筋群が過緊張になります。その結果、骨盤底筋群の機能に影響を与えてしまいます。

このように、体は体全体に広がる筋肉、腱、靭帯、そして筋膜系を通じて繋がっていて、骨盤底筋と足裏もつながっています。立ったり歩いたりする際、足裏は体に安定した基盤を提供し、これが骨盤底筋や体幹の筋肉をサポートし安定させるのに役立ちます。
逆に、骨盤底筋が弱くなるか機能不全に陥ると、歩行や立ち姿勢に影響を与え、扁平足などの足の問題を引き起こし、それによって膝や股関節の機能不全が起こり、腰痛につながることもあります。

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